土佐神社(高知県高知市)
古くは土佐高賀茂大社、高賀茂明神(たかかも)さらに別称として「しなねさま(志奈禰様)」とも呼ばれているが、延喜式では都佐坐神社と書く。
所在は高知市街地の北東外れの一宮に位置し、古くはすぐ近くまで海が迫っていたようだ。
そのわけは社伝によるとこうである。
ところが高鴨神はどの神をさしているのだろうか、という疑問がわく。
毎年8月25日(元々は旧暦七月三日)に行われる「志奈禰祭(しなね)」は、土佐三大祭のひとつで土佐神社の最も大切な祭だという。
その名は、新嘗(にいなめ)が転じたものとか新稲(しいね)の転じたものという説、また風の神の志那都比古神(しなつひこ)に由来するという説がある。
しなね祭の初日は宵宮祭で始まる。
無病息災を祈願しながら神楽などの奉納を行い、魔除けの象徴とされるかがり火を祭礼が終わるまで焚きつづける。
そして翌日には本祭の神幸祭で商売繁盛などを願いながら、日中にもかかわらず明かりをともした松明を持って神輿行列が御旅所まで練り歩くそうだ。
「夏は、輪抜けに始まりしなね様で終わる」
といわれてきたように茅の輪くぐり(夏越しの大祓)で始まった土佐の夏も、しなね祭が終わりを告げると豊穣の秋を迎える。